思えば、遠くへ来たもんだ~Looking back, I've come so far!~

好きなこと、モノしか語れないブログです。

フランスの生活で好きなこと

フランスは、日中は初夏のように暖かく、お庭にリクライニングチェアを出しては、#stayathomeならぬ、#stayatgardenで楽しんでおります、Gon.です。

お庭のイチゴが赤くなり始めまして、摘んでは食べ、摘んでは口を運びを繰り返しております。ほら、”食べ物の旬”って限られていますから、ね!(良い言い訳だ笑)

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今年初摘みのイチゴたち

さて、本日はフランスの生活での好きなことをご紹介できればと思います。一瞬で恋に落ち、狂おしく求める炎のような『好き』ではなくて、心に染み入るように、しみじみと好きになったもの…それが花を愛で、植物を育てること(ガーデニング)でございます(年とったんじゃない!?とか言わないで笑)

ガーデニング事始め

お花といえば、どんなに素敵な鉢植えをもらっても、枯れにくい観葉植物ですら、枯らすことが得意だったわたしが(これもちょっとどうかと思うのですが)、現在、花を育てているというと、田舎の両親がびっくり仰天します。

虫がまず、大嫌いですし、土で汚れるのも好きではありません(どの口して、ガーデニングが好きなんだよって突っ込みが聞こえてきそう…笑)。未だに掘り返した土から何やら珍妙な生き物が出てきては、叫び声をあげ、飾ろうと切り落とした草花に、美しい蝶となり飛び立つ前のウニョウニョしたものを発見しては、固まり、今度こそ狂ったとばかりに走り回る…そんなことは日常茶飯事でして、これこそが自然なんだ。なんて、C.W.ニコルさんばりの事は言えません!アマゾン(ブラジルの)に一時期住んでいたことのあるパートナーにも、ここで暮らすなら、いい加減に慣れて!と言われますが、意味不明。苦手なものは苦手なのです。(さらっと、アマゾンに住んでいた…とか、語りましたが、これ、本当笑。いつかお話できますでしょうか。)

では、なぜそんな私が懲りずにガーデニングを続けることになったのでしょう(今回はココ)

ご存じの方も多いかもしれませんが、ヨーロッパでは、ガーデニングは非常にポピュラーな趣味でございます。園芸店は人気のお店のひとつですし、お手伝いさんがいるような家でも、家事をお手伝いさんに任せ、己はガーデニングを楽しむ、という人がいるほど。

どなたかがヨーロッパは自然との距離が近い=生活の中に、自然との暮らしが根付いている、とおっしゃっていましたが、そうなのかもしれませんし、単純に長い冬から解放された春を楽しみ、短い夏を惜しむためなのかもしれません。

庭、ベランダが色とりどりのお花で飾られているのはよく見かける光景ですし、家の中、オフィスの中でも、みな思い思いの観葉植物や花を飾ったり、育てたりすることを楽しんでいます。

わたしもヨーロッパへ来て、自分のオフィスにて前任者の植物の世話をするうちに、その虜になっていきました。どんなにダメそうに見える植物でも、根気よく手をかけていくと、再び元気になったり、次世代に命を繋いだりすることがある。その植物の健気さと、生命力のたくましさに魅せられたのです。

我が家に初めて迎えたのは、ランの鉢植え。ランってデリケートなお花だそうで、温度管理などもあり、なかなか翌年に花を咲かせることが難しいそうなのです。が、(ヨーロッパのセントラルヒーティングシステムのおかげで、冬場も一程度の温度を保てたことも大きかったのかもしれませんが)この!わたしでも、翌年も、翌々年もランを咲かせることに成功したのです!

フランスでの植物との暮らし

パートナー(面倒なのでPちゃんと呼ぼう!笑)と暮らすため、フランスの田舎町に引っ越してきた時、家にいくつかの観葉植物を迎えました(その頃には、緑の観葉植物に囲まれた家で暮らすのが夢に)。世話をした甲斐もあり、すくすくと育った緑たちは、今は蔦分け、株分けなどをして順調に増殖をしております笑(Pちゃんには、家の中にジャングル作るつもり!?とからかわれております。ちがうわい!森を作るんだわい!笑)。初代のランも元気です(ここ数年は花をつけていなかったのですが、今年、新しい葉や根が伸びてきています!)

週末は自分の朝食をとるより先に、植物やお花に水をあげたり、お水の取り換えをしており、Pちゃんには呆れられております笑。成長をみていると愛着がわいてきてしまいますよね。

それから、Pちゃんが大きな庭のある家を購入したことも大きなきかっけとなりました。この庭、大きさにして1000平方メートル以上もあるのですが、青々とした芝が一面に広がっており、しっかりと成長したリンゴの木、サクランボの木、桃の木などが季節にはそれぞれの実をつけ、バラ、シャクナゲ、ライラック、菖蒲などの花たちが咲き乱れる庭なのです。

特に、バラ。家の壁面を這うように伸びているピンクのオールドローズの木があるのですが、その匂いといったら。甘くて、スィートで、何とも言えない芳しい香りなのです。初めて匂いをかいだ時に、大げさかもしれませんが、歴史上の幾千もの女性たちがバラに魅了されてきたその理由が分かるような、そんな気がいたしました。

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オールドローズ。虜になるかほりなのです。

加えて、小ぶりの畑も庭の中にあるので、じゃがいも、トマト、キャベツ、かぼちゃ、いちご、フランボワーズ、サラダ菜、その他ハーブなどなどを育てることができます。その野菜や果物たちの香りのよいこと。味の濃いこと!

こんな経験してしまったら、楽しくなってしまい…今に至る訳です。ただ、初心者も初心者、ずぶの素人ですので、虫に遭遇するたび、絶叫しつつ、先人の知恵に学び、Youtubeに学ぶ日々。

ガーデニングの醍醐味って、お花や植物の世話をし、しかるべき時にそれらを迎えること。当たり前のことですが、1年に一度のめぐり逢いなのです。あと何回、この子たちを己の手で迎えることできるのかしら…と、思うと感慨深くなってしまってしまうのです(年をとったと言わないで!笑)

人生を変えたかったら…

こんなことを書いたとはいえ、わたしは環境保護活動家でもありませんし、自然と暮らそう!とか、そんなことを言うつもりはさらさらありません。ところ変わればでして、東京に住んでいた時は、こんな生活は夢にも思っていませんでしたし、正直、したいとすら思ったこともありませんでした。何を好き好んで、土いじり…笑。

人はつくづく、環境の申し子。”人生を変えたかったら、時間の使い方、居場所(環境)、付き合う人間を変えよ”という言葉がありますが、自分の身を置いている環境には多大な影響を受けるものです。わたしは、5年前、何もかもを変えるつもりで、全てを置いてヨーロッパにやってきました。

ショッピングのためのメインストリートは街に1本のみ!デパ地下も、便利なコンビニもなく、夜7時にはお店が閉まってしまう、日曜日にはお店はお休みという街です。それでもこれで大きな街の部類に入るのですから…笑。東京からやってきたら軽いカルチャーショックに陥るかと。ただ、そのような環境に身を置いたことで、自然と自然の中で過ごす機会が多くなりました。

週末には公園で青空の下、ヨガをすること。ロッククライミングをすること。仕事終わりにバゲット、チーズ、ワインなどを持ち寄って公園や湖のほとりでピクニックをすること。庭の木の下で、芝生の上で、本を読んだり、食事をしたりすること。そんなことが日常になりました。

(関係ないのですが、ヨーロッパでは、どこであろうと公園(のようなスペース)で寝そべったり、ピクニックをして過ごしたりするのは当たり前の光景です。当初、日本の普通の公園でこんなことをしたら、”変な人がいる”って通報されそうだな、と思ったことを覚えています笑)

そんなことをしているうちに、純粋に、こんな生活を“いいなぁ”と思うようになりました。正確に申しますと、贅沢だなぁ、豊かだなぁということでしょうか。育てた花に癒され、育てた野菜や果物を食べ(それだけの時間的余裕があり)、青空の下で過ごす。何もないですし、お金もかけていないのに、たっぷりの時間と自然に恵まれて、のんびりと過ごす幸せ(大変なこともありますけれど、虫とか、虫とか、虫とか!笑。ホント、苦手)

ある時、”こんな風に生きてみても良いかもしれない”。そう、ふと感じたわたしは、本日も、イチゴを摘み摘み、食べ食べ、バラの香りに癒されながら、春の庭を楽しんでおります。あっ、木の下で休んでいると虫が降ってくることも高確率でございます笑。